フィンランド発祥のスポーツとして人気が高まっているモルック。家族や友人と楽しみたいけれど、公式セットは少し値が張ると感じていませんか。実は、モルックは身近な材料で簡単に自作することが可能です。
この記事では、本格的な木材を使ったモルックの作り方はもちろん、100均のダイソーで手に入る材料や、ダンボール、自作のペットボトル、さらには手作りのトイレットペーパーや紙コップを利用した手軽な方法まで、具体的な材料や寸法を交えながら詳しく解説します。
また、完成したモルックをキャンプで遊ぶ際のポイントや、室内で安全に楽しむための工夫、そして基本的なルールも網羅していますので、自分だけのオリジナルモルックで、すぐに遊び始めることができます。

イメージ画像
ーこの記事を読むことで、あなたは以下の点について深く理解できますー
|
木材で本格的なモルックの作り方
ここでは、公式セットに近い本格的なモルックを木材で自作する方法を解説します。木の温もりと心地よい打感が、ゲームを一層盛り上げてくれるはずです。具体的な材料選びから、綺麗に仕上げるためのコツまで、順を追って見ていきましょう。
|
モルック作りに必要な材料と寸法
本格的なモルックを作るためには、まず適切な材料を揃え、正しい寸法で加工することが大切です。公式ルールで推奨されている木材は白樺ですが、ホームセンターなどで手軽に入手できる安価な木材でも十分に楽しめます。
主な材料は、12本の「スキットル」と、1本の投げるための「モルック」です。スキットル用の木材は、直径が5.5cm〜6cm程度の丸棒が適しています。モルック用の木材は、スキットルと同じか、少し太めの直径のものを選ぶと投げやすいでしょう。
以下に、必要な材料とそれぞれの寸法を表でまとめました。
スキットルの特徴は、上部が斜めにカットされている点です。ノコギリを使って、木材の先端を約45度の角度で切り落とすことで、数字が見やすく、また公式セットのような見た目に仕上がります。全てのスキットルを同じ長さに正確に切りそろえることが、安定して立てるための鍵となります。
100均ダイソーで揃えられる木材

イメージ画像
本格的なモルックを作りたいけれど、ホームセンターに行くのは手間がかかる、あるいはコストを抑えたいと考える方もいるでしょう。そのような場合、100円ショップのダイソーで手に入る木材を活用する方法があります。
ダイソーのDIY・工作コーナーには、様々な種類の木材が揃っています。モルック作りに使えそうなものとしては、「木製丸棒」や「MDF材」などが挙げられます。ただし、公式の寸法に合う直径5.5cmの丸棒を見つけるのは難しいかもしれません。多くの場合、直径が2cm〜4cm程度のものが主流です。
そのため、ダイソーの木材で作る場合は、少し小ぶりなミニモルックとして楽しむのが現実的です。細めの丸棒を規定の長さにカットして使うか、角材を加工して代用することもできます。
メリットは、何と言っても材料費を安く抑えられる点です。一方で、デメリットとしては、木材が比較的柔らかく、耐久性が公式のものより劣る可能性や、希望の寸法に加工する手間がかかる点が考えられます。安価に試作してみたい方や、子供用の小さなモルックを作りたい方には適した選択肢と言えます。
ダイソーの道具で綺麗に仕上げるコツ
材料の木材を揃えたら、次は加工と仕上げの工程です。この工程でも、ダイソーで手に入る道具が大いに役立ちます。綺麗に仕上げるためのいくつかのコツと、必要な道具をご紹介します。
まず、木材を正確な長さにカットするためには「工作用ノコギリ」が必要です。切断面を綺麗にするためには、木材にマスキングテープを貼り、その上から切るとささくれを防ぎやすくなります。
次に、カットした木材の角やささくれを取り除くための「紙やすり(サンドペーパー)」が欠かせません。目の粗いものから細かいものの順にやすりがけをすることで、手触りが滑らかになり、安全に遊べます。
そして、スキットルに1から12までの数字を書き込むための道具も必要です。油性の「ペイントマーカー(ポスカなど)」や「ステンシルシート」を活用すると、手書きでも綺麗に数字を入れられます。ステンシルシートを使えば、フォントが統一され、既製品のような仕上がりを目指せるでしょう。
これらの道具はすべてダイソーで数百円程度で揃えることが可能です。少し手間をかけるだけで、愛着の湧くオリジナルのモルックが完成します。
自作モルックをキャンプで楽しむ

イメージ画像
木材で手作りしたモルックは、キャンプやバーベキューといったアウトドアアクティビティとの相性が抜群です。自然の中で木の棒がぶつかり合う「カーン」という乾いた音は、心地よく響き渡ります。
自作モルックをキャンプに持っていくメリットは、やはりその本格的なプレイスタイルにあります。適度な重さがあるため、芝生や土の上でも安定し、風の影響も受けにくいです。友人や家族とチームを組んで対戦すれば、キャンプが一層盛り上がること間違いありません。
持ち運ぶ際には、13本の木材がばらばらにならないよう、巾着袋やトートバッグなど、まとめて収納できる入れ物を用意すると便利です。これも100円ショップなどで手軽に用意できます。
注意点としては、遊ぶ場所の選定が挙げられます。地面が平らで、周囲に障害物や他のキャンパーがいない、開けた安全な場所を選んでください。また、木製のため雨や湿気には弱いので、濡れた場合はしっかりと乾かしてから保管することが長持ちさせるコツです。
モルックの基本的なルールを解説

イメージ画像
モルックを自作したら、次は実際に遊んでみましょう。ルールは非常にシンプルで、子供から大人まで誰でもすぐに覚えられるのが魅力です。ここでは、基本的なルールを分かりやすく解説します。
ゲームの準備
-
まず、1から12までの数字が書かれたスキットルを図のように並べます。
-
投げる場所のライン(モルッカーリ)を、スキットルから3〜4m離れた位置に設定します。
進め方と得点計算
-
プレイヤーは順番に、下手投げでモルックを投げてスキットルを倒します。
-
倒したスキットルの本数によって、得点の計算方法が変わります。
-
複数本のスキットルが倒れた場合: 倒れた本数がそのまま得点になります。(例:3本倒れたら3点)
-
1本だけスキットルが倒れた場合: 倒れたスキットルに書かれている数字が得点になります。(例:「10」のスキットルが1本だけ倒れたら10点)
-
-
倒れたスキットルは、完全に地面についているものだけをカウントします。他のスキットルに寄りかかっている場合は、倒れたとは見なしません。
-
得点を計算した後、倒れたスキットルはその場(倒れた先端があった場所)で再び立てられます。ゲームが進むにつれて、スキットルがどんどん広がっていくのが特徴です。
ゲームの終了
-
先に得点がちょうど50点になったプレイヤー(またはチーム)が勝利です。
-
もし得点が50点を超えてしまった場合、そのプレイヤーの得点は25点に減点され、ゲームを続行します。
-
プレイヤーが3回連続で投擲をミスし、1本もスキットルを倒せなかった場合は失格となります。
このシンプルなルールの中に、どのスキットルを狙うかという戦略性があり、プレイヤーを夢中にさせます。
身近な物で簡単なモルックの作り方
木材での自作は少しハードルが高いと感じる方のために、ここではもっと手軽に、家にあるものや安価に手に入る材料で作る方法をご紹介します。安全性も高いため、小さなお子様と一緒に工作を楽しむのにも最適です。
|
ダンボールで作る安全なモルック

イメージ画像
家にあるダンボールは、安全でコストのかからないモルックの材料として非常に優れています。特に小さなお子様がいるご家庭では、軽くてぶつかっても怪我の心配が少ないため、安心して一緒に作って遊べます。
作り方はとても簡単です。ダンボールを細長くカットし、それをくるくると巻いて筒状にし、テープで固定するだけです。直径や長さは、木製モルックの寸法を参考にすると良いでしょう。12本のスキットルと1本の投げるモルックを同じ要領で作成します。数字はマジックペンで直接書き込めば完成です。
この方法のメリットは、前述の通り、安全性とコストの低さです。一方、デメリットとしては、軽すぎるために屋外では風で倒れてしまったり、投げたモルックが当たってもスキットルが倒れにくかったりする点が挙げられます。
この軽さを解消する工夫として、ダンボールの筒の中にお米や小豆、あるいは小さな石などを少量入れて重りとする方法があります。これにより、適度な重さが加わり、屋外でも遊びやすくなります。
自作ペットボトルで気軽に遊ぶ方法

イメージ画像
飲み終わったペットボトルも、モルックを手作りするための素晴らしい材料になります。特に500mlサイズの炭酸飲料用の丸いペットボトルは、形がスキットルに似ており、加工しやすいのでおすすめです。
準備するものは、同じ形のペットボトル13本と、油性ペン、そして重りとなる砂や水です。まず、12本のペットボトルに1から12までの数字を油性ペンで大きく書きます。残りの1本が投げるためのモルックとなります。
ペットボトルはそのままでは軽すぎるため、中に少量の砂や水を入れて重さを調整することがポイントです。入れる量によって難易度を変えることができます。水の量を全て同じにすれば、均一な条件で遊べます。ただし、水を入れすぎると重くなりすぎて倒れにくくなるため、全体の1/4から1/3程度を目安に調整してみてください。
この自作ペットボトルモルックは、耐久性があり、汚れたら洗えるというメリットもあります。公園の砂場やビーチなど、様々な場所で気軽に楽しめるでしょう。
手作りトイレットペーパーと紙コップで工作

イメージ画像
さらに手軽な方法として、トイレットペーパーの芯や紙コップを使った作り方もあります。家にある廃材を利用できるため、思い立った時にすぐに作れるのが魅力です。
トイレットペーパーの芯を12本用意し、それぞれに数字を書き込めば、あっという間にスキットルの完成です。しかし、芯だけでは軽すぎてすぐに倒れてしまいます。そこで、紙コップと組み合わせることで安定感を増すことができます。例えば、紙コップの底にトイレットペーパーの芯を立ててテープで固定したり、芯の中に丸めた新聞紙を詰めたりする工夫が考えられます。
投げるためのモルックは、新聞紙を固く丸めてテープで固定したものや、靴下を丸めたボールなど、柔らかくて安全なものを使用すると良いでしょう。
この方法は、あくまで室内での簡易的な遊びや、小さな子供の工作遊びとして楽しむのに適しています。耐久性は低いですが、作る過程そのものを楽しむことができる、創造性あふれるモルックと言えます。
手作りモルックで室内遊びの注意点
ダンボールやトイレットペーパーの芯などで作った手作りモルックは、室内で遊ぶのに非常に適しています。天候を気にせずいつでも楽しめるのが大きなメリットですが、室内ならではの注意点もいくつかあります。
最も配慮すべきは、床へのダメージと騒音です。フローリングの床で遊ぶ際は、傷やへこみを防ぐために、ヨガマットやラグ、ジョイントマットなどを敷くことを強く推奨します。これにより、投げる音やスキットルが倒れる音を軽減する効果も期待でき、集合住宅などでも周囲への配慮に繋がります。
また、投げるモルックの素材選びも大切です。木製やペットボトル製の重いモルックを室内で使うと、壁や家具を傷つける危険があります。室内で遊ぶ場合は、新聞紙を丸めたボールや、毛糸のボール、布製のぬいぐるみなど、柔らかくて軽い素材のものを使うのが安全です。
最後に、遊ぶスペースの確保も忘れてはいけません。周囲に壊れやすいものがないかを確認し、安全に遊べる十分な広さを確保してからゲームを始めてください。これらの点に注意すれば、手作りモルックで安全かつ快適に室内遊びを楽しめます。
まとめ:色々なモルックの作り方

イメージ画像
この記事では、様々なモルックの作り方をご紹介しました。最後に、本記事で解説した重要なポイントをまとめます。
―記事のまとめ―
|
「モルック 作り方」に関する外部リンクまとめ
「モルック」を自作する上で、公式なルールや用具の規格を理解しておくことは非常に重要です。以下に、日本のモルック普及を担う公式団体や、正規品の情報を確認できるサイトをご紹介します。
1. 一般社団法人 日本モルック協会
日本におけるモルックの普及活動を統括する公式団体です。公式サイトでは、最新の公式ルールブックや、国内で開催される大会の情報などを確認できます。自作する際の寸法の基準や、正確なルールを知る上で最も信頼性の高い情報源です。
2. モルック日本総代理店(OHSサプライ株式会社)
フィンランドのTactic社が製造する正規品の「Mölkky®」を日本で販売している公式代理店のサイトです。正規品の仕様や特徴を知ることは、自作する際の最も良いお手本となります。
これらの公式サイトを参考に、ご自身のオリジナルモルック作りにぜひ役立ててください。 |
―参考記事― |